キンロバイ
Dasiphora fruticosa
北海道から本州中部地方までの亜高山や高山帯の岩場に自生しています。樹高は30〜100cmで、よく分枝して丸く盛り上がった樹形となります。樹皮は赤褐色で、幹の太い部分は縦に剥けていきます。葉は奇数羽状複葉で小葉が2対か3対あります。小葉は縁が裏側に巻き込んでいます。6〜9月に丸くて黄色い5枚の花弁がつく花を咲かせます。果実は痩果です。[1][2]
自生地は蛇紋岩/かんらん岩か石灰岩の岩場が多く、隔離遺存しています。これらの土壌は多くの植物にとって生育しにくい環境です。北海道ではアポイ岳(かんらん岩)と夕張山地の崕山(石灰岩)、本州では岩手県の早池峰山(蛇紋岩)、群馬県の至仏山(蛇紋岩)などで見られます。[3]
これまで同種はキジムシロ属(Potentilla)に含められていましたが、分子系統学的解析によってキンロバイ属として分類されることもあり、ここではキンロバイ属として独立させています。
自生地は蛇紋岩/かんらん岩か石灰岩の岩場が多く、隔離遺存しています。これらの土壌は多くの植物にとって生育しにくい環境です。北海道ではアポイ岳(かんらん岩)と夕張山地の崕山(石灰岩)、本州では岩手県の早池峰山(蛇紋岩)、群馬県の至仏山(蛇紋岩)などで見られます。[3]
蝶の食草
ヒメチャマダラセセリ(Pyrgus malvae)はヨーロッパから中国東北部の広い地域に生息しているセセリチョウ科の一種で、同類のチャマダラセセリよりも小型です。日本では1973年に北大の学生によりアポイ岳にて発見されました。アポイ岳の尾根部にあるお花畑でしか生息しておらず隔離分布です。食餌植物はバラ科キジムシロ属の多年草キジムシロ(Potentilla fragarioides var. major)と、本種のキンロバイです。アポイ岳の尾根部にはキンロバイがよく見られますがハイマツの拡大により生息環境が変化してヒメチャマダラセセリの生息数が減少しています。それまで環境省レッドリストにおいて絶滅危惧II類「絶滅の危険が増大している種」だったものが、2012年に絶滅危惧IA類「ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの」に変更されました。これまで同種はキジムシロ属(Potentilla)に含められていましたが、分子系統学的解析によってキンロバイ属として分類されることもあり、ここではキンロバイ属として独立させています。
Gallery
Dasiphora fruticosa
樹形
アポイ岳
Taken on Aug. 19, 2018
樹高は30〜100cmで、よく分枝して丸く盛り上がった樹形となります。北海道から本州中部地方までの亜高山や高山帯の岩場に自生しています。自生地は蛇紋岩/かんらん岩か石灰岩の岩場が多いです。
樹形
アポイ岳
Taken on Aug. 19, 2018
樹形
アポイ岳
Taken on July 9, 2016
樹形
アポイ岳
Taken on Aug. 19, 2018
葉
アポイ岳
Taken on Aug. 19, 2018
葉は奇数羽状複葉で小葉が2対か3対あります。
花
アポイ岳
Taken on July 9, 2016
6〜9月に丸いくて黄色い5枚の花弁がつく花を咲かせます。
花
アポイ岳
Taken on July 9, 2016
花
アポイ岳
Taken on Aug. 19, 2018
果実
北大植物園
Taken on Aug. 12, 2018
果実は痩果です。
樹皮
北大植物園
Taken on Aug. 12, 2018
樹皮は赤褐色で、幹の太い部分は縦に剥けます。
Property
Dasiphora fruticosa
分 類 | |
和名: | キンロバイ(金露梅) |
学名: | Dasiphora fruticosa (Syn. Dasiphora fruticosa subsp. floribunda) (Syn. Pentaphylloides fruticosa) (Syn. Pentaphylloides floribunda) (Syn. Dasiphora rigida) (Syn. Potentilla fruticosa) (Syn. Potentilla fruticosa var. rigida) |
目: | バラ目(Rosales) |
科: | バラ科(Rosaceae) |
属: | キンロバイ属(Dasiphora) |
分布: | 日本、東北アジア |
国内分布: | 北海道、本州 |
用途: |
特 徴 | |
針葉/広葉: | 広葉樹 |
常緑/落葉: | 落葉樹 |
樹高: | 小低木 |
葉形: | 奇数羽状複葉 |
葉序: | 互生 |
葉縁: | 全縁 |
雌雄: | 雌雄同株(両性花) |