茎はよく分枝して地表をはい、マット状に横へと広がります。
チョウノスケソウ
Dryas octopetala var. asiatica
北海道および本州中部にある一部の高山帯の砂礫地に自生しています。茎はよく分枝して地表をはい、マット状に横へと広がります。パッと見ただけだと草本のように思えますが、茎を確認すると木本であることがわかります。楕円形で丸い鋸歯がある葉は、葉脈が目立つほどに凹んでおり、また白い綿毛で裏側が白いため一目でそれとわかります。花期は6月中旬から7月、8〜9枚の花弁を持った白い花を咲かせます。同じバラ科の高山植物であるチングルマと同様に雌しべが伸びて羽毛状となって果実を風に乗せて飛ばします。[1][2]
風衝地
チングルマが小さな谷やくぼ地といった雪が残る雪田に分布するのに対して、チョウノスケソウは山頂周辺や稜線といった風が強く雪が飛ばされ積雪しにくい風衝地に分布しています。系統的には近い両種ですが、対照的な面もあるのが面白いです。当種は外菌根によって菌と共生していることがわかっています。特に生育地である風衝地は窒素やリンといった栄養塩類が少なく、菌からこれらを摂取していると考えられています。マット状に生長することで自身の落葉が他へと飛ばされにくくなり、またしばらく枯葉が枝についたままとなる特徴も相まって菌根菌がこれらを利用しやすくなるとも考えられています。[3]
ドリアス植物群
チョウノスケソウは周北極要素です。これはドリアス植物群(Dryas flora)とも呼ばれていますが、Dryasはチョウノスケソウ属のラテン語名です。氷河期において代表的な植物が本種で、その後に氷期遺存種として日本の高山に取り残されたと考えられています。北極圏や北半球北部の高山帯に広く分布する、葉がより細長い近縁種のキョクチチョウノスケソウ(Dryas octopetala var. octopetala)も含めた遺伝子解析をした報告があります。それによれば、本州中部、北海道、中国長白山の順に系統的に近しいことがわかりました。このことからサハリン・千島列島経由でチョウノスケソウが南下してきたと考えられるとのことです。[4]
Gallery
楕円形で丸い鋸歯がある葉は、葉脈が目立つほどに凹んでいます。
花期は6月中旬から7月、8〜9枚の花弁を持った白い花を咲かせます。
雌しべが伸びて羽毛状となって果実を風に乗せて飛ばします。
パッと見ただけだと草本のように思えますが、茎を確認すると木本であることがわかります。
Property
| 分 類 | |
|---|---|
| 和名 | チョウノスケソウ(長之助草) |
| 別名 | |
| 学名 | Dryas octopetala var. asiatica (Syn. Dryas octopetala subsp. tschonoskii) (Syn. Dryas tschonoskii) (Syn. Dryas ajanensis) |
| 目 | バラ目(Rosales) |
| 科 | バラ科(Rosaceae) |
| 属 | チョウノスケソウ属(Dryas) |
| 分布 | 日本、東北アジア |
| 国内 | 北海道、本州 |
| 用途 | |
| 特 徴 | |
|---|---|
| 針広 | 広葉樹 |
| 常落 | 常緑樹 |
| 樹高 | 小低木 |
| 葉形 | 単葉(不分裂) |
| 葉序 | 互生 |
| 葉縁 | 鋸歯 |
| 雌雄 | 雌雄同株(両性花) |