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ウラシマツツジ

Arctous alpinus var. japonicus

 本州中部以北から北海道の高山帯に生えています。高さは2〜5cm、地中に茎が伸び分枝して地表に顔を出すため、群落を形成します。硬くて光沢のある葉にはヘラ状で丸みを帯びた細かい鋸歯があります。葉が展開する6~7月、黄色からクリーム色のスズラン状の花を咲かせます。果実は最初の頃は緑色ですが、色づき始めて、最後に黒紫色に熟します。ウラシマツツジの紅葉は深紅の赤色で他とのコントラストが鮮やかです。葉の裏にある網目状の細脈が縞模様になっていることから、その名がつきました。[1][2]
 本種は、乾燥した砂礫地や草地に見られます。いずれも高山風衝地と呼ばれる、風上側にあって常に強い風が吹き抜けていて雪も積もりにくい地帯です。そのため背の高い木や草が生えることがなく、地面も露出していて根が張りにくい土地です。ウラシマツツジは地中に茎を張って地面に張り付くように群落を形成することで、その生育環境に適合させています。[3][4]

風衝程度と種の違い

 同じ風衝地に生育している木本にイワウメ、ミネズオウ、コケモモ、クロマメノキ、コメバツガザクラなどがあります。北海道にある大雪山系の東側に白雲岳避難小屋が標高1990mにあります。この場所で冬季間に風速風向を観測した記録があり、西南西〜北から風速4m以上の風がほぼ常時吹いていたそうです。白雲岳避難小屋の近隣にある緑岳から赤岳、また高根ヶ原は典型的な高原風衝地です。
 風衝地内でも斜面や岩石などにより積雪や風の強さが局地的に差を生み出します。風衝の程度が高く積雪量が少ない方から風衝の程度が低く積雪量が多い方へ順にイワウメ、ミネズオウ・チシマツガザクラ、ウラシマツツジ・ガンコウラン、コケモモ・ハイマツが生育している傾向があるそうです。[5][6]

Gallery

Arctous alpinus var. japonicus

樹形
大雪山系高根ヶ原
Taken on July 7, 2019

 本州中部以北から北海道の高山帯に生えています。高さは2〜5cm、地中に茎が伸び分枝して地表に顔を出すため、群落を形成します。

紅葉
大雪山系北海沢
Taken on Sep. 10, 2017

紅葉
大雪山系赤岳
Taken on Sep. 2, 2018

大雪山系緑岳
Taken on June 22, 2019

 葉が展開する6~7月、黄色からクリーム色のスズラン状の花を咲かせます。

大雪山系緑岳
Taken on June 22, 2019

早池峰山
Taken on June 12, 2021

早池峰山
Taken on June 12, 2021

果実
大雪山系駒草平
Taken on Aug. 5, 2017

 果実は最初の頃は緑色ですが、色づき始めて、最後に黒紫色に熟します。

果実
大雪山系御鉢平展望台
Taken on Aug. 19, 2017

果実
大雪山系赤岳東平
Taken on Sep. 10, 2017

大雪山系雲ノ平
Taken on July 14, 2017

 硬くて光沢のある葉はヘラ状で丸みを帯びた細かい鋸歯があります。

葉の裏
早池峰山
Taken on Aug. 6, 2022

大雪山系雲ノ平
Taken on July 14, 2017

地下茎
大雪山系雲ノ平
Taken on July 14, 2017

 地中に茎を張って地面に張り付くように群落を形成することで、風衝地の生育環境に適合させています。

Property

Arctous alpinus var. japonicus

分 類
和名: ウラシマツツジ(裏縞躑躅)
学名: Arctous alpinus var. japonicus
(Syn. Arctostaphylos alpinus var. japonicus)
(Syn. Arctous japonicus)
(Syn. Arctous alpinus subsp. japonicus)
目: ツツジ目(Ericales)
科: ツツジ科(Ericaceae)
属: ウラシマツツジ属(Arctous)
分布: 日本、北半球全域
国内分布: 北海道、本州
用途:
特 徴
針葉/広葉: 広葉樹
常緑/落葉: 落葉樹
樹高: 小低木
葉形: 単葉(不分裂)
葉序: 互生
葉縁: 鋸歯
雌雄: 雌雄同株(両性花)

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