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ナガバツガザクラ
Phyllodoce nipponica subsp. tsugifolia

 北海道から東北地方北部に分布する高山地帯の岩場に自生している高山植物です。幹は匍匐させて樹高は30cmに届かず、樹皮は灰褐色で、成長するにつれて落葉した葉の跡が残る枝はささくれ立っています。常緑の葉は線形で細かく尖った鋸歯があります。縁が裏側に巻き込んで裏は白い毛が密生しています。それらの毛に覆われた内部つまり葉の裏側は中空になっていて、その面にのみ気孔があります。この構造によって、気孔から蒸散した水蒸気を強風によって奪われにくくしていると考えられます。高山地帯の環境に適合しているわけです。6〜7月ごろに花を咲かせます。鐘状で先端が浅く5裂した花の色は薄い桃色や白色で、花柄を突き立てた先に斜め下を向きます。中央の雌しべの周りに10本の雄しべが並び、いずれも花冠の中に収まります。5裂した萼は紅紫色です。蒴果の果実は晩秋に熟します。[1][2][3]

母種ツガザクラ

 本種は日本固有種であり、東北地方から四国の高山帯に自生している同じく日本固有種の母種であるツガザクラ(Phyllodoce nipponica)の亜種です。母種の葉身が5〜8mmであるのに対して、その名の通りナガバツガザクラは7〜12mmと長くなっています。また花柄も母種が1〜2.5cmに対して2.5〜3cmほどと長く、花柄の繊毛も長めです。この2種の分布域は地理的に大きく離れているというわけでもなく、東北北部では重なっているよです。[4]

参考文献
  1. 清水建美(2002)『高山に咲く花』山と溪谷社
  2. 梅沢俊(2009)『北海道の高山植物(新版)』北海道新聞社
  3. 増沢武弘(1997)『高山植物の生態学』東京大学出版会
  4. 加藤雅啓ら(2011)『日本の固有植物』東海大学出版会

Gallery

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樹形

栗駒山(June 22, 2024)

北海道から東北地方北部に分布する高山地帯の岩場に自生している高山植物です。

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樹形

岩木山(July 23, 2023)

樹高は30cmに届きません。

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岩木山(July 23, 2023)

常緑の葉は線形で細かく尖った鋸歯があります。

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葉の裏

秋田駒ヶ岳(June 15, 2024)

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秋田駒ヶ岳(June 15, 2024)

6〜7月ごろに花を咲かせます。

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秋田駒ヶ岳(June 15, 2024)

鐘状で先端が浅く5裂した花の色は薄い桃色や白色で、花柄を突き立てた先に斜め下を向きます。

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秋田駒ヶ岳(June 15, 2024)

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果実

栗駒山(Oct. 5, 2024)

蒴果の果実は晩秋に熟します。

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樹皮

栗駒山(June 22, 2024)

樹皮は灰褐色です。

Property
分 類
和名 ナガバツガザクラ(長葉栂桜)
別名 エゾナガバツガザクラ
学名 Phyllodoce nipponica subsp. tsugifolia
(Syn. Phyllodoce nipponica var. tsugifolia)
(Syn. Phyllodoce nipponica var. oblongo-ovata)
ツツジ目(Ericales)
ツツジ科(Ericaceae)
ツガザクラ属(Phyllodoce)
分布 日本
国内 北海道、本州
用途
特 徴
針広 広葉樹
常落 常緑樹
樹高 小低木
葉形 単葉(不分裂)
葉序 互生
葉縁 鋸歯
雌雄 雌雄同株(両性花)
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