アカシデ
Carpinus laxiflora
北海道の南部から本州、九州の雑木林や山に生えています。高さは15mほどになります。葉は長さ3~7cmの卵形で、重鋸歯があり、先端が細く尖ります。若葉が出始める4~5月ごろに一緒に花も咲きます。特に雄花の苞や葯が赤いため、開花時は樹木全体が赤く見えます。果実は果苞が付いた堅果で8〜9月ごろ熟しますが、冬に入っても枝に残っていることがあります。樹皮は暗灰色で平滑、縦に流れるような特徴的な凹凸がありますが、同属のイヌシデほど太くはっきりとした筋にはなりません。[1][2][3]
アカシデの材は、シイタケを作るための榾木、また炭などに利用されます。公園にも植えられることが多く、アカメソロという呼び名で盆栽にも多用されます。最近ではあまり見かけなくなりましたが、床の間の際に用いられる床柱用に重宝されています。これは、樹皮そのものの模様、また樹皮を剥いた材に大きなシワがあって趣があるためです。
四手(しで)
「シデ」は花や果実のたれている様子が、神棚のしめ縄から垂らす紙の「しで(紙垂/四手)」に似ていることから名づけられたといわれています。さらに、春の若い芽や花序が赤いこと、また秋に美しく紅葉することから「アカ」が付けられ「アカシデ」になりました。高木となる近似種にイヌシデ(Carpinus tschonoskii)、クマシデ(Carpinus japonica)がありますが、いずれも花序は黄色でアカシデほどは目立ちません。またクマシデは葉の側脈が20対以上なのに対して他2種はあっても15対程度であること。イヌシデは葉柄が短いなどの特徴があります。アカシデの材は、シイタケを作るための榾木、また炭などに利用されます。公園にも植えられることが多く、アカメソロという呼び名で盆栽にも多用されます。最近ではあまり見かけなくなりましたが、床の間の際に用いられる床柱用に重宝されています。これは、樹皮そのものの模様、また樹皮を剥いた材に大きなシワがあって趣があるためです。
Gallery
Carpinus laxiflora
樹形
日光植物園
Taken on May 15, 2010
北海道の南部から本州、九州の雑木林や山に生えています。高さは15mほどになります。
樹形
皇居東御苑
Taken on Apr. 5, 2011
花
山形市野草園
Taken on Apr. 24, 2021
若葉が出始める4~5月ごろに一緒に花も咲きます。特に雄花の苞や葯が赤いため、開花時は樹木全体が赤く見えます。
雄花序
皇居東御苑
Taken on Apr. 5, 2011
雄花序
山形市野草園
Taken on Apr. 24, 2021
雌花序
山形市野草園
Taken on Apr. 24, 2021
雌花序
山形市野草園
Taken on Apr. 24, 2021
アカシデ(右下)とイヌシデ(左上)
小石川植物園
Taken on Apr. 5, 2011
果実
山形市野草園
Taken on Sep. 5, 2021
花や果実のたれている様子が、神棚のしめ縄から垂らす紙の「しで(紙垂/四手)」に似ていることから名づけられたといわれています。
果実
山形市野草園
Taken on Mar. 22, 2021
果実
山形市野草園
Taken on Sep. 5, 2021
葉
筑波実験植物園
Taken on May 8, 2010
葉は長さ3~7cmの卵形で、先端が細く尖ります。
冬芽
山形市野草園
Taken on Mar. 27, 2022
樹皮
付属自然教育園
Taken on Apr. 25, 2010
樹皮は暗灰色で平滑、縦に流れるような特徴的な凹凸がありますが、同属のイヌシデほど太くはっきりとした筋にはなりません。
Property
Carpinus laxiflora
分 類 | |
和名: | アカシデ(赤四手) |
別名: | シデノキ、アカソロ、ソロノキ |
学名: | Carpinus laxiflora (Syn. Carpinus laxiflora var. longispica) (Syn. Carpinus laxiflora f. macrophylla) |
目: | ブナ目(Fagales) |
科: | カバノキ科(Betulaceae) |
属: | クマシデ属(Carpinus) |
分布: | 日本、朝鮮半島、中国 |
国内分布: | 北海道、本州、四国、九州 |
用途: | 榾木、薪炭材 |
特 徴 | |
針葉/広葉: | 広葉樹 |
常緑/落葉: | 落葉樹 |
樹高: | 高木 |
葉形: | 単葉(不分裂) |
葉序: | 互生 |
葉縁: | 鋸歯 |
雌雄: | 雌雄同株(単性花) |