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ノリウツギ
Hydrangea paniculata

 山地や草原の日当りが良いところに良く生えています。株立ちして高さ2〜5mほどになります。葉は長さ5〜15cmの卵形または楕円形で、多くはその先端が尖ります。葉縁には浅い鋸歯があり、また表側に軽くカールしていることが多いです。樹皮は赤褐色で、縦に裂けてはがれます。

装飾花

 7~9月に2〜3mmの花弁を持つ白色の花がピラミッド状に集まって咲きます。その周囲には白い装飾花がいくつか付きます。この装飾花は萼が変化したもので、長さ1〜2cmの萼片3〜5枚から構成されています。花の形状からもわかるように、ノリ「ウツギ」と呼ばれていますがアジサイの仲間です。[1][2]

和紙の「ねり」として

 ノリウツギは様々な用途に利用されてきました。1つが内皮の粘液を和紙の糊として用いたものです。糊といっても紙の繊維同士を接着するものではなく、紙を漉く際に個々の繊維を分散させて紙質を均一に保つ為の「ネリ」として利用されました。現在では、一年草のトロロアオイの根が同様な用途に使われています。ちなみに紙の繊維と繊維が強く接着して紙が簡単に破れないのは水素結合によるためです(水の沸点が100℃と高いのもこの水素結合のため)。材質が緻密で堅いため木釘にも用いられてきました。面白いのは奇形な根を利用した喫煙用のパイプです。後に人工的に奇形を作ったようですが、北海道の名産品にもなりました。アイヌは、布に包んだ外皮と内皮を水に浸して泡を立たせ、現代でいうシャンプーとして利用したそうです。[3][4][5]

参考文献
  1. 林将之(2004)『葉で見わける樹木』小学館
  2. 茂木透ら(2009)『樹に咲く花―離弁花(2)(第2版)』山と溪谷社
  3. 上原敬二(1959)『植物大図説』有明書房
  4. 諸戸北郎(1903)『大日本有用樹木効用編』嵩山房
  5. 福岡イト子(1995)『アイヌ植物誌』草風館

Gallery

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樹形

日光植物園(July 15, 2011)

山地や草原の日当りが良いところに良く生えています。

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日光植物園(July 15, 2011)

葉縁には浅い鋸歯があり、また表側に軽くカールしていることが多いです。

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小石川植物園(June 26, 2011)

7~9月に2〜3mmの花弁を持つ白色の花がピラミッド状に集まって咲きます。

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果実

筑波実験植物園(Sep. 23, 2011)

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樹皮

日光植物園(July 15, 2011)

樹皮は赤褐色で、縦に裂けてはがれます。

Property
分 類
和名 ノリウツギ(糊空木)
別名 ノリノキ、サビタ
学名 Hydrangea paniculata
ミズキ目(Cornales)
アジサイ科(Hydrangeaceae)
アジサイ属(Hydrangea)
分布 日本、サハリン、中国、台湾
国内 北海道、本州、四国、九州
用途 楊枝・木釘材、喫煙用パイプ材、糊原料
特 徴
針広 広葉樹
常落 落葉樹
樹高 低木
葉形 単葉(不分裂)
葉序 対生/輪生
葉縁 鋸歯
雌雄 雌雄同株(両性花)
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