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エゾニワトコ

Sambucus racemosa subsp. kamtschatica

 本州の関東地方北部より北、北海道の林縁や原野といった日当たりの良い場所に自生しています。根元で枝分かれなどしてイチョウの葉のように弓なりに広がり、高さは3〜5mほどになります。葉は奇数羽状複葉で2〜6対の小葉がありますが、同属のニワトコと比較して小葉は丸みが強くて15cmを超える長さの葉もあるほど大きく、鋸歯も荒いのが特徴です。樹皮は黒灰色、コルク質で縦に深くひび割れます。直径6mm前後の乳白色の小さい花を5月に多数咲かせ、直径5mm程度の赤い球形の実が8〜9月に熟します。[1][2]

薬としての利用

 ニワトコは解熱剤や湿布薬として昔から利用されてきましたが、当種が自生する北海道ではアイヌが同様に民間薬として使っていたそうです。刈り取って干しておいた木の樹皮を剥いでかぶれものに湿布したり、内皮を煎じて腎臓や肝臓の内服薬に使っていました。葉をもむと臭いので魔除けに使われていたとも。[3]

Gallery

Sambucus racemosa subsp. kamtschatica

樹形
根室
Taken on July 1, 2011

 根元で枝分かれなどしてイチョウの葉のように弓なりに広がり、高さは3〜5mほどになります。

根室
Taken on July 1, 2011

 葉は奇数羽状複葉で2〜6対の小葉がありますが、同属のニワトコと比較して小葉は丸みが強くて15cmを超える長さの葉もあります。

冬芽


頂小葉

側小葉

葉の裏

葉柄

勇払原野
Taken on May 26, 2018

 直径6mm前後の乳白色の小さい花を5月に多数咲かせます。

旭川
Taken on May 7, 2018



果実
北邦野草園
Taken on July 22, 2012

 直径5mm程度の赤い球形の実が8〜9月に熟します。

果実
北邦野草園
Taken on July 21, 2012

樹皮
北邦野草園
Taken on May 19, 2012

 樹皮は黒灰色、コルク質で縦に深くひび割れます。

Property

Sambucus racemosa subsp. kamtschatica

分 類
和名: エゾニワトコ
学名: Sambucus racemosa subsp. kamtschatica
(Syn. Sambucus sieboldiana var. miquelii)
(Syn. Sambucus sachalinensis)
(Syn. Sambucus racemosa var. miquelii)
(Syn. Sambucus kamtschatica)
目: マツムシソウ目(Dipsacales)
科: ガマズミ科(Viburnaceae)
属: ニワトコ属(Sambucus)
分布: 日本、朝鮮半島、中国、千島、カムチャッカ
国内分布: 北海道、本州
用途:
特 徴
針葉/広葉: 広葉樹
常緑/落葉: 落葉樹
樹高: 低木
葉形: 羽状複葉(奇数)
葉序: 対生
葉縁: 鋸歯
雌雄: 雌雄同株(両性花)

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