樹高は30mほどになり、木の幹はまっすぐ伸びますが枝はよく分かれていて、きれいな形になります。
ブナ
Fagus crenata
日本固有種で、北海道から九州までの山地に生えています。樹高は30mほどになり、木の幹はまっすぐ伸びますが枝はよく分かれていて、きれいな形になります。その姿から「森の女王」とも呼ばれています。樹皮は灰白色で平滑、他の木と違ってほとんど裂けたりしません。そのため樹皮の黒っぽいイヌブナをクロブナと言うのに対して、本種をシロブナと呼びます。葉は長さが4〜9cmで、波が立っているように凹凸があります。イヌブナの葉に似ていますが、側脈がイヌブナの10〜14対に対して、ブナは7〜11対あって葉の厚みもあります。秋には葉が黄色く色づきます。花は5月ごろに咲きます。雄花序は垂れ下がり、雌花序は上を向きます。秋にクリが薄くなったような堅果ができます。実は栄養が豊富で、野生動物の食料となります。ただし豊凶の差がイヌブナ以上に激しく、3〜10年周期で豊作になると言われています。[1][2][3][4]
日本の白神山地(青森・秋田県)がブナの森として有名です。同属のイヌブナよりも標高の高い所に分布していることが多く、ミズナラ、イタヤカエデ、シナノキなどと一緒に生えていることが多いです。本種の稚樹は耐陰性が高いのですが生長が遅く、実生による更新がなかなか進みません。その代わり寿命が200〜300年と長く遺伝子を受け継がせる機会を確保しています。[5]
遺伝的違い
本種は本州の日本海側から太平洋側そして九州まで広く分布していますが、地域により遺伝的系統が異なっていることがわかってきました。葉緑体DNAの分析によると、a) 北海道・本州日本海側・東海・中部、b) 東北太平洋側・関東・紀伊半島、c) 中国・四国・九州の3つに大きく分類されることが判っています。例えば太平洋側のブナを日本海側に植えたことによって、自生種と交雑し日本海側の環境に対する適応能力が弱まる「外交弱勢」という現象が発生していると指摘する研究者もいます。[6]
ブナの北限は北海道の黒松内低地帯です。氷期後に北上してきたブナが約680年前にこの地に達したようです。黒松内と同様な気候がさらに北へと広がっているのに、なぜそこで止まってしまったのかよくわかっていません。黒松内低地帯のブナの葉は他の地域に比較して大きく、葉身が10cmを越えるものもあります。北海道の短い夏に、より日光を得るために大型化したと考えられています。材は重厚ですが加工がしやすく曲げても割れにくいのですが、保存性が低く、乾燥時の寸法安定性が低いといったデメリットがあります。乾燥・加工技術の発達によりそれらの点も克服され、漆器や器具材だけでなくフローリング材などにも使われるようになりました。[7]
Gallery
花は5月ごろに咲きます。雄花序は垂れ下がり、雌花序は上を向きます。
秋にクリが薄くなったような堅果ができます。
実は栄養が豊富で、野生動物の食料となります。
葉は長さが4〜9cmで、波が立っているように凹凸があります。
秋には葉が黄色く色づきます。
樹皮は灰白色で平滑、他の木と違ってほとんど裂けたりしません。
Property
| 分 類 | |
|---|---|
| 和名 | ブナ(橅) |
| 別名 | シロブナ(白橅)、ソバグリ |
| 学名 | Fagus crenata |
| 目 | ブナ目(Fagales) |
| 科 | ブナ科(Fagaceae) |
| 属 | ブナ属(Fagus) |
| 分布 | 日本 |
| 国内 | 北海道、本州、四国、九州 |
| 用途 | 家具材 |
| 特 徴 | |
|---|---|
| 針広 | 広葉樹 |
| 常落 | 落葉樹 |
| 樹高 | 高木 |
| 葉形 | 単葉(不分裂) |
| 葉序 | 互生 |
| 葉縁 | 鋸歯 |
| 雌雄 | 雌雄同株(単性花) |