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アオダモ

Fraxinus lanuginosa var. serrata

 日本の固有種で、北海道(太平洋側)から九州(大分)までの山地に広く生えています(朝鮮半島や南千島にも分布しているとする報告もあります)。樹高は12mほど、直径で60cmぐらいにまで育ちます。樹皮は灰褐色で滑らかですが、縦に裂けることもあります。地衣類が付着することが多く、灰白色や灰緑色のまだら模様になることがままあります。葉は羽状複葉で小葉が1〜3対、小葉は長さ4〜10cmの楕円形で先端が細く尖り、鋸歯があります。4~5月に小さな白い花がたくさん咲かせます。果実は翼果で垂れ下がり、9〜10月ごろに熟します。[1]

先駆種と極相種の中間

 本種は先駆種と極相種の中間に位置すると見られています。林冠下で稚樹として過ごした後、ギャップが形成されると生長する樹種のようです。群生することはあまりありません。雄株と両性花株が混在しています。両性花の雄しべは退化していますが、雄株の雄しべよりも劣りますが生殖能力はあります。凶作の年が珍しくなく、豊作が1〜7年の周期で発生しているようです。一方で花は、毎年開花する個体と毎年は開花しない個体もあり、一定していないようです。
 冬芽、若い枝、葉脈、花序に毛があるものをアラゲアオダモ(Fraxinus lanuginosa、別名:ケアオダモ)、毛がほとんどないものをアラゲアオダモの変種としてアオダモ(Fraxinus lanuginosa var. serrata)と分類されています。また、ほぼ全縁の種をマルバアオダモ(Fraxinus sieboldiana)と呼びます。これらアオダモはいずれも大きな差が無く、その中間的な樹もあります。[2][3]

バットの木

 他の種類の木に比べてアオダモは粘りがあるため、野球で使われる木製バットにするのに優れた材料として有名です。ただし成長が遅く、バットの材料にするには80年近くかかります。野球に関係の深い木であるため、各地の野球場でアオダモが植樹されています。都心だと東京ドームなどに植えられています。[4]
 枝を水に浸して光にかざすと、水が青白く光って見えることから「アオ」ダモと名付けられたといわれています。別名でコバノトネリコと呼ばれます。

Gallery

Fraxinus lanuginosa var. serrata

樹形
筑波実験植物園
Taken on May 8, 2010

 日本の固有種で、北海道(太平洋側)から九州(大分)までの山地に広く生えています。

宮城県戸神山
Taken on May 1, 2021

 葉は羽状複葉で小葉が1〜3対、小葉は長さ4〜10cmの楕円形で先端が細く尖り、鋸歯があります。

冬芽
小石川植物園
Taken on Mar. 5, 2011

若葉
小石川植物園
Taken on Apr. 25, 2010


葉の裏

宮城県戸神山
Taken on May 1, 2021

 4~5月に小さな白い花がたくさん咲かせます。

両性花
宮城県戸神山
Taken on May 1, 2021

雄花
宮城県戸神山
Taken on May 1, 2021

果実
宮城県戸神山
Taken on Sep. 25, 2022

 果実は翼果で垂れ下がり、9〜10月ごろに熟します。

未熟果
宮城県戸神山
Taken on May 15, 2022

果実
宮城県戸神山
Taken on June 4, 2022

樹皮
宮城県戸神山
Taken on May 1, 2021

 樹皮は灰褐色で滑らかですが、縦に裂けることもあります。灰白色や灰緑色のまだら模様になることがままあります。

青白くなった浸出水

Property

Fraxinus lanuginosa var. serrata

分 類
和名: アオダモ(青梻)
和名: コバノトネリコ、アオタゴ
学名: Fraxinus lanuginosa var. serrata
目: シソ目(Lamiales)
科: モクセイ科(Oleaceae)
属: トネリコ属(Fraxinus)
分布: 日本
国内分布: 北海道、本州、四国、九州
用途: 器具材、スポーツ用材(バット)
特 徴
針葉/広葉: 広葉樹
常緑/落葉: 落葉樹
樹高: 高木
葉形: 羽状複葉(奇数)
葉序: 対生
葉縁: 鋸歯
雌雄: 雌雄異株(両性花/雄花)

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