本州から四国、九州までの林内や林縁、原野に自生しています。
キヅタ
Hedera rhombea
本州から四国、九州までの林内や林縁、原野に自生しています。つる性木本で、茎のいたるところから気根を出して高木などに張り付き生長します。吸着しているだけで、フジのように巻き付いた木を締め付けているわけではありません。葉の形は変異が多く、また不分裂葉だけでなく3〜5裂の分裂葉もあります。花が付く枝に近いと不分裂葉が多いようです。葉は革質で、光沢のある表側は緑が濃く、葉脈が少し白みがかっています。冬の訪れを知らせるかのように10〜12月になると球形をした散形花序から大きさ1cmほどの多数の花を咲かせます。反り返った黄緑色の花弁が5枚で雄しべも5本。雌しべの基部にあって花蜜を分泌する肉厚の器官である花盤が真ん中に鎮座しています。花盤は円錐形です。果実は10mm弱の球形で、5〜6月ごろに紫黒色に熟します。[1][2]
雌雄異熟
雌しべと雄しべの成熟時期に時間的なズレがあって自家受粉を防ぐことができる性質を持つ花を雌雄異熟花と呼びます。そのうちキヅタの花は雄しべの成熟が先に来る雄性成熟花です。ウコギ科の多くの種では雄性期を過ぎると、花弁と雄しべが脱落または枯れて雌性期を迎えます。花盤の先端に雌しべがちょこんと乗っかっているだけなので、もう花が終わったように見えるだけかもしれませんが、雌性期なのでまだ受粉中ということになります。キヅタはグランドカバーや壁面などの緑化に使用されていますが、その多くはヨーロッパや西アジア原産のセイヨウキヅタ(Hedera helix)や北アフリカ原産のカナリーキヅタ(Hedera canariensis)などの近縁種、または斑が入るなどした栽培種です。ちなみにツタで覆われた赤レンガの校舎として有名な立教大学ですが、ブドウ科ツタ属である紅葉が美しい落葉性のツタ(Parthenocissus tricuspidata)と常緑性の当種の2つが植えられているそうです。
Gallery
葉の形は変異が多く、また不分裂葉だけでなく3〜5裂の分裂葉もあります。
10〜12月になると球形をした散形花序から大きさ1cmほどの多数の花を咲かせます。
一番下の花は花弁や雄しべを落としている。
果実は10mm弱の球形で、5〜6月ごろに紫黒色に熟します。
つる性木本で、茎のいたるところから気根を出して高木などに張り付き生長します。
Property
| 分 類 | |
|---|---|
| 和名 | キヅタ(木蔦) |
| 別名 | フユヅタ |
| 学名 | Hedera rhombea (Syn. Hedera tobleri) |
| 目 | セリ目(Apiales) |
| 科 | ウコギ科(Araliaceae) |
| 属 | キヅタ属(Hedera) |
| 分布 | 日本、朝鮮半島、中国、台湾 |
| 国内 | 本州、四国、九州 |
| 用途 | |
| 特 徴 | |
|---|---|
| 針広 | 広葉樹 |
| 常落 | 常緑樹 |
| 樹高 | 低木 |
| 葉形 | 単葉(分裂/不分裂) |
| 葉序 | 互生 |
| 葉縁 | 全縁 |
| 雌雄 | 雌雄同株(両性花) |