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マタタビ
Actinidia polygama

 北海道から九州の山地や丘陵に自生している、つる性の木本です。葉痕部分がこんもりと膨らんだ葉枕(ようちん)に冬芽が収められており、春になるとこれを破って葉を出します。葉の大きさは長さが6〜15cm、幅が4〜8cmの広卵形で、先が尖ります。6〜7月、花弁が5枚の白い花を下向きに咲かせます。花は両性花と雄花の2つで、両性花には白い花柱が放射状に伸びる特徴があります。枝の先にある葉の表面は花が咲く時期になると白くなります。木々のある山の中を歩いていてもこの白い葉がよく目立ち、探すのに苦労しません。果実は長さが2cm程度の楕円形で先が細くなり、熟すと橙黄色になります。その断面はまさにキウイフルーツで、同属であることが一目瞭然です。ただし、甘みもあるものの辛みの方が強くて生食には適しません。果実酒にしたり、塩漬けしたものをおつまみやご飯の友にしたりして食されています。つるは紫黒色で皮目が目立ちます。枝を縦に割ると白い髄が詰まっていますが、同属のミヤママタタビは空洞があるのが異なります。マタタビミタマバエやマタタビアブラムシによって虫えい(マタタビミフクレフシ)となった実を熱湯で殺虫し、乾燥させたものが木天蓼(もくてんりょう)と呼ばれる生薬になります。冷え性の改善、強壮などの薬効があるとされています。[1][2][3]

猫にまたたび

 マタタビといえば猫。「猫にまたたび」は大好物、また優れた効果があるということわざです。猫にマタタビを与えると、酔っ払ったようになり、体を擦り付けるなどの行動を見せます。2021年、岩手大学などからなる研究グループは猫がマタタビを好む理由を解き明かしました。マタタビに含まれるイリドイド類のネペタラクトールが脳内麻薬とも呼ばれるβエンドルフィンの血中濃度を増加させ、高揚感や多幸感を得ていること。マタタビを顔などに擦り付けることでネペタラクトールを付着させ蚊の忌避させることで、蚊を媒介する病気から身を守っていること、などが確認されました。[4]

ネペタラクトール(C10162

参考文献
  1. 茂木透ら(2009)『樹に咲く花―離弁花(2)(第2版)』山と溪谷社
  2. 林将之(2014)『樹木の葉』山と溪谷社
  3. 湯川淳一ら(1996)『日本原色虫えい図鑑』全国農村教育協会
  4. Uenoyama et al.(2021) “The characteristic response of domestic cats to plant iridoids allows them to gain chemical defense against mosquitoes” Science Advances 7(4): eabd9135, doi:10.1126/sciadv.abd9135

Gallery

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樹形

阿武隈山地深山(June 13, 2021)

北海道から九州の山地や丘陵に自生している、つる性の木本です。

葉の大きさは長さが6〜15cm、幅が4〜8cmの広卵形で、先が尖ります。

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両性花

山形市野草園(June 26, 2021)

6〜7月、花弁が5枚の白い花を下向きに咲かせます。

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雄花

阿武隈山地深山(June 13, 2021)

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果実

果実は長さが2cm程度の楕円形で先が細くなり、熟すと橙黄色になります。

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果実

山形市野草園(Take on July 23, 2021)

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虫えい

山形市野草園(Take on July 23, 2021)

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色づいた葉

北海道根室市(July 1, 2011)

枝の先にある葉の表面は花が咲く時期になると白くなります。

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色づいた葉

山形市野草園(July 23, 2021)

Property
分 類
和名 マタタビ(木天蓼)
別名 ナツウメ(夏梅)
学名 Actinidia polygama
ツツジ目(Ericales)
マタタビ科(Actinidiaceae)
マタタビ属(Actinidia)
分布 日本、中国、朝鮮半島
国内 北海道、本州、四国、九州
用途 食用(果実)
特 徴
針広 広葉樹
常落 落葉樹
樹高 つる性
葉形 単葉(不分裂)
葉序 互生
葉縁 鋸歯
雌雄 雌雄異株(両性花、雄花)
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