sawafutagi sawafutagi sawafutagi sawafutagi

サワフタギ

Symplocos sawafutagi

 北海道から九州の林内や林縁、草原に自生している、樹高が2〜4mほどになる低木または小高木です。樹皮は灰褐色で細かく縦に裂けます。葉身の長さが4〜9cmの葉は楕円形か倒卵形で、一番幅のある部分が先端側にあります。葉には毛が付いているのですが、葉裏の脈上や葉柄には特に多くの毛が生えています。5〜6月に、直径が1cmに満たない5枚の花弁がついた白い花を数多く咲かせます。9〜10月になると楕円形の果実が鮮やかな瑠璃色となり、遠くからでも目立つほどです。[1][2]

紫根染と茜染

 沢にふたをしてしまうかのように枝を横に伸ばす、または白い花を咲かせるということから、サワフタギという名がついたとされています。別名のルリミノウシコロシは、瑠璃色の実をつけるカマツカ(ウシコロシ)から。ニシゴリ(錦織)は絹織物である錦を染めるときの媒染剤(染料を繊維に定着される薬品)として当種の灰を用いたことから、名付けられたとされています。多年草のムラサキの根を用いて紫色に染めた紫根染、同じく多年草のアカネの根を使って茜色に染める茜染があります。秋田県の北部に位置する鹿角地方では、サワフタギを燃やした灰に含まれるアルミニウムをこの紫根染と茜染の媒染剤として古来から使用してきたそうです。

Gallery

Symplocos sawafutagi

樹形
宮城県外山
Taken on May 16, 2021

 本州から九州の林内や林縁、草原に自生している、樹高が2〜4mほどになる低木または小高木です。

筑波実験植物園
Taken on Sep. 19, 2010

 葉身の長さが4〜9cmの葉は楕円形か倒卵形で、一番幅のある部分が先端側にあります。


葉の裏

葉柄の毛

北大植物園
Taken on May 27, 2018

 5〜6月に、直径が1cmに満たない花弁が5枚の白い花を数多く咲かせます。

小石川植物園
Taken on Apr. 29, 2011



果実
宮城県外山
Take on Oct. 10, 2021

 9〜10月になると楕円形の果実が鮮やかな瑠璃色となり、遠くからでも芽立ちます。

果実

樹皮
宮城県外山
Taken on May 16, 2021

 樹皮は灰褐色で細かく縦に裂けます。

Property

Symplocos sawafutagi

分 類
和名: サワフタギ(沢蓋木)
別名: ルリミノウシコロシ、ニシゴリ
学名: Symplocos sawafutagi
(Syn. Symplocos chinensis subsp. pilosa)
(Syn. Symplocos paniculata)
(Syn. Symplocos chinensis var. leucocarpa)
(Syn. Palura chinensis var. pilosa)
目: ツツジ目(Ericales)
科: ハイノキ科(Symplocaceae)
属: ハイノキ属(Symplocos)
分布: 日本、中国、朝鮮半島
国内分布: 北海道、本州、四国、九州
用途:
特 徴
針葉/広葉: 広葉樹
常緑/落葉: 落葉樹
樹高: 低木/小高木
葉形: 単葉(不分裂)
葉序: 互生
葉縁: 鋸歯
雌雄: 雌雄同株(両性花)

Googleでサワフタギを検索

サワフタギの文献を検索

他の樹木を閲覧